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「戦力外になった選手たち」のドキュメント2007 [ドキュメンタリー番組]

 年末の12月30日にTBS・毎日放送系で、恒例のドキュメント「2007プロ野球戦力外通告クビを宣告された男達」が放送されました。毎年、年末年始にはこのタイトルで放送し、時折その後を追った内容の番組(「俺たちはプロ野球選手だった」・2007年9月13日放送)も放送しています。
 さて、今回取り上げられたのは次の3名です。

 藤田宗一(投手・元千葉ロッテマリーンズ)
 三浦 貴(外野手・元読売ジャイアンツ)
 柴田博之(外野手・元西武ライオンズ)

 ちなみに、TBSの公式サイトを見ると、その他に吉川元浩(近鉄バファローズ~ジャイアンツ)、斉藤宜之(ジャイアンツ)、鎌倉健(ファイターズ)、入来祐作(ジャイアンツ~ファイターズ~メジャー他)、宮地克彦(ライオンズ~ホークス~北信越BCリーグ)と8名を取り上げる予定になっていたようなのですが、実際に放送されたのは上記の3名を中心に構成されたものでした。ただ、斉藤に関しては三浦の話にちょっと絡んできますが・・・。

 番組の構成は、まず3人の選手を紹介。それから解雇の経緯と今後についてどうするのか?というところから入ります。
 一人目は、藤田。WBCにも選ばれた投手ですが、10月27日にWBC選抜メンバー中唯一の戦力外となりました。毎朝4時・5時に目が覚めて、色々考える日々だとのこと。藤田自身は、マリーンズのユニフォームを着てマリンスタジアムで現役を終えたかったようです。「自分の中ではまだやれる」と語る藤田。プライドがあるため?かトライアウトは受けない意向。

 二人目は、三浦貴。今年ジャイアンツは、12人を戦力外にしたのですが、その中でもトライアウト直前に解雇となりました。入団当初は投手で、49試合に登板し3勝2敗と活躍。その年の契約更改では年俸は3倍増にもなり、新人としてはまずますの滑り出しだったのですが、しかし2年目には3試合しか登板機会はなく、その後も延々と二軍暮らし。外野手転向後も一軍では活躍できず、ついに戦力外に・・・。

 三人目は、柴田。入団3年目に前年までの大友に代わり、一番・センターでレギュラーを獲得(ちなみに、この年は3位ながらカブレラが入団、和田が外野の一角に収まる等、2007年までのライオンズの基礎ができた年とも言えます)。しかしその後はパッとせず、ライオンズ外野手争いも激化。31歳という年齢から解雇となりました。何とも言えなかったのは、彼の息子の一言。まだ小さいながら、将来は野球選手になり西武ライオンズに入りたいとのこと。親の首を切った球団に・・・まだ解雇とか分かんないからねぇ。トライアウトに向け、奥さんのおにぎりを持って練習に向かう日々。本人曰く「足でやっぱりアピールしたい」。

 そして迎えた11月7日の第1回トライアウト当日、総勢52人が参加する中に、三浦や柴田の姿がありました。他の参加者は、元タイガース・上坂や元ホークス・倉野など。スタンドのスカウト陣の中には、イーグルス・野村監督も加わっています。実際に自分の目で見極めたいということでしょうか。
 打者に与えられるチャンスは5打席。三浦には、吉田修司(元ジャイアンツ~ホークス~バファローズ)や河本(元マリーンズ~ジャイアンツ~イーグルス)らが対戦、苦しんだ末に2塁打1本。柴田に投げるのは、同僚だった河原(元ジャイアンツ~ライオンズ)や酒井(ジャイアンツ)ら。5打数2安打のうえ盗塁を決めるなど、自身は納得の結果に。
 しかしこの日の主役は、小関(元ライオンズ~ジャイアンツ)。本塁打2本のうえ、ネームバリューもある。もちろん報道陣は小関に殺到、三浦や柴田の扱いは小さいものでした。

 帰宅して、三浦はがっかり、柴田はまずまずの笑顔。結果は携帯に入るようになっているみたいです。次の日のスポーツ新聞に『イーグルスが柴田に興味』との記事が載り、柴田の期待はますます膨らみます。同様に三浦も新聞を読むと、『斉藤→スワローズ、小関→ベイスターズ』との記事が目に入り、三浦はショックを受けます。今シーズンまでの同僚2人の行き先が決まったのはうれしい、だけど自分には連絡が入らない・・・。

 その頃、トライアウト受けなかった藤田には、ジャイアンツから連絡はいりました。ジャイアンツは、左の前田はメジャーに挑戦、林は11月に手術・・・と左のセットアッパー不足。そこで藤田に白羽の矢が立ったようです。交渉はたったの30分、入団が決まりました。藤田は、夜になって家族連れで食事に出かけました。食事をしながら涙を流す藤田。主力として活躍してきた自分に突きつけられた『解雇』という現実に対し、ホントに悔しかったと。

 トライアウトに参加しながら入団先の決まらなかった2人は、2回目のトライアウトへ向け練習を開始。柴田は、引退した石井貴を打撃投手に練習を重ねます。「生きた玉を打てる、これは有り難い。あんな先輩いない」と、とにかく感謝。同様に三浦貴にも、斉藤とホークス育成採用が決まった吉川が協力。
 そして11月27日、第2回トライアウト。今回の参加者は23名です。三浦と対戦するのは、石川賢(元ドラゴンズ)ら。しかし、また結果は出ず5打数無安打。
 柴田は倉野らと対戦し、前回以上の結果を出し5打数4安打。たぶん、柴田はどこか獲ってくれることを確信したのではないでしょうか。

 第2回トライアウトから一週間、連絡がこない三浦は、今度こそユニフォームを脱ぐ決意を固めます。
 同じく柴田にもオファーは無く、引退を決意。悔いがあるとすれば「あと1年やりたかった」と、9年間のプロ人生に幕を下ろすことに。

 しかし、なんと最後の最後でどんでん返し。トライアウトで結果のでなかった三浦を、柴田を解雇したライオンズが獲得!
 あれだけ結果を残した柴田は解雇されたうえ声もかからず、なぜ結果の出なかった三浦が?素人の私は見ていてわかりませんでした。ライオンズ的には、『31歳』の外野手を解雇したので、その空いた枠に『27歳』と若い三浦を、ということなのか?確かに左右の違いはあるけれど、どういう基準なんだろう?あぁ、プロ野球界って無情だ・・・。

戦力外通告―プロ野球を「クビ」になった男たち

戦力外通告―プロ野球を「クビ」になった男たち

  • 作者: TBSテレビ「バース・デイ」
  • 出版社/メーカー: 角川ザテレビジョン
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 新書


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